こんにちは!
浅口市の注文住宅会社Karin-houseの岡田です。
いつもスタッフブログをご覧いただきありがとうございます!
今回は断熱はしたけど気密を確保しなかった家に起こった悲劇のお話です。
高気密にしなかった結果、家を腐らせるキノコが大量発生!?
高度経済成長の真っ只中の1970年代、一般的な暖房器具といえば灯油ストーブでした。
エアコンの普及率は約1割、贅沢品とも言われていました。
そんな私たちの生活を一変させたのがオイルショックです。
1970年代に起きた2度のオイルショックをきっかけに、日本人の間には「省エネ意識」が芽生え始めました。
特に冬の灯油使用量が膨大な北海道では、壁の中に断熱材を入れて省エネ化を目指す工務店が現れ始めました。
ただし、現在のように気密工事をせず、断熱材をそのまま壁の中に押し込んでいたのが実態でした。断熱材を袋のままポンポンと並べていただけ、という話も聞いたことがあります。
当時の断熱材といえば、RC造の結露の防止が主な目的です。
木造住宅の壁の中に断熱材だけ入れると何が起こるのか、など誰も知る由もありませんでした。
灯油の節約が目当てで壁の中に断熱材を入れた木造住宅は、思ったほど灯油の削減ができませんでした。
それどころか、ナミダタケというキノコが大量発生して、たった数年で住宅の基礎や床下の木を腐らせ、床が抜けてしまうという大問題が起こりました。
北海道ナミダダケ事件とは?
なぜ家にキノコが大量発生したのでしょうか?
当時の研究者が調査した結果「断熱材で発生した結露」が原因であったことが分かり、業界に衝撃が走りました。
暖房で暖められて湿気を含んだ空気は、壁や床下に詰め込まれていたグラスウールの中に侵入して大量の結露水を発生させます。
結露のおかげでキノコはスクスクと育ち、わずか数年で床が抜けるほど木をグズグズに腐らせてしまったのです。
防湿という概念が無かったために起こった悲劇でした。
このナミダタケ事件を二度と起こさないために、結露防止の観点から「高断熱」にする場合には必ず「高気密」もセットで行うようになりました。
忘れてはいけません、住宅の気密化の最大の目的は、木を腐らせてしまう「内部結露の防止」なのです。
柱や土台を腐らせる「内部結露」とは?
結露で最も怖いのは、「内部結露」と呼ばれる現象です。
冬場の暖かい空気は、外気と比較すると大量の水蒸気を含んでいます。そのため、室内の水蒸気は比湿の高い室内から低い外気へと壁を通過していきます。
水蒸気は0.0004μmという微小粒子なので、木や石膏ボードなどのほとんどの建材を通り抜けてしまいます。室内の湿気が断熱材の内部に侵入し、水蒸気を含むことができる限界の温度を下回った場所で発生します。この現象を「内部結露」と呼びます。
サッシやガラス部分に結露が発生する「表面結露」は目視で確認できるため、ある程度の対応が可能です。
ところが「内部結露」の場合、知らない間に壁の中がびしょ濡れになり、カビが発生することによる健康被害や建物の劣化、断熱性能の低下などの具体的な被害が発生するまで気が付くことが出来ません。
特に厄介なのは「内部結露」が発生する状態が長引くと、柱や土台の木材を腐らせる原因となることです。
柱や土台が腐ってしまっては、建物に必要な強度が失われてしまい、大きな地震がくるとひとたまりもありません。
高気密・高断熱住宅で快適で丈夫な家を
内部結露を防ぐためには、外壁に室内から水蒸気を入れないことが1番です。
特に水蒸気を通しやすいグラスウールなどの繊維系の断熱材の場合、高い気密性(室内側の防湿シートの切れ目ない丁寧な施工)が必要になります。
ところが、一般的なハウスメーカーでは防湿材の施工を切れ目なく丁寧に行っている会社は非常に少ないのが実情です。
高断熱にのみ力を入れて、気密性を疎かにした結果、隙間風が発生したり、床が冷たくなったり(そういう家では床暖房が使われています)、家の内部にカビができたりしてしまうのです。
後悔しない家づくりをするならぜひ浅口市の注文住宅会社Karin-houseまでご相談ください。