こんにちは!
浅口市の注文住宅会社Karin-houseの岡田です。
いつもスタッフブログをご覧いただきありがとうございます!
今回はUA値についてのお話です。
住宅選びの際にチェックするべきポイントのひとつに断熱性があります。
その住宅の断熱性を知るための指標として、従来までは「Q値」というものが主に利用されていましたが、平成25年の省エネ基準の改正にともない、新しく「UA値」という表記がされるようになりました。
どちらもいわゆる断熱性を示す値ですが、計算方法などが若干違います。
ここでは省エネ住宅を探す際の指標になる、Q値とUA値についてご紹介します。
Q値とは?
Q値とは、熱損失係数のこと。
わかりやすく言うと、建物からの熱の逃げにくさを示す数値です。
この数値が高ければ高いほど熱が逃げやすいということで、いわゆる断熱性が低い住宅になります。
地域によって基準値が異なり、東京都の基準値は2.7です。
Q値の算出方法は以下のとおりです。
【Q値=建物全体の熱損失量(W・K)÷床面積(平米)】
天井や壁、窓や換気扇などから逃げていく熱量(熱損失量)の合計を床面積で割ったもので、住宅全体の断熱性能を判断する際に役立つ数値です。
UA値とは?
上述のQ値は、建物全体の熱損失量を床面積で割るという計算方法で出すもので、床面積の小さな建物であればあるほどその数値が高くなり、実際の断熱性を表すことができないなどの欠点がありました。
そこで登場したのがUA値です。平成25年の省エネ基準の改正により導入され始めた数値で、外皮平均熱貫流率を示します。つまり、建物の表面全体から熱がどれだけ逃げやすいかどうかを示した数値です。
Q値と同じように地域によって基準値が異なり、東京都の基準値は、0.87です。
UA値の計算方法は以下のようになります。
【UA値=建物全体の熱損失量(W・K)÷外皮面積(平米)】
Q値と異なり、住宅全体の熱損失量を、建物の外皮面積(壁や屋根、床や窓など)で割ったものです。
これにより建物の形状による影響を受けずに数値を計算できるようになりました。
UA値をチェックする際の注意点
平成25年の省エネ基準の改正により登場し、Q値に代わって多くの住宅メーカーで表記採用されつつあるUA値ですが、UA値にもいくつかの欠点があります。
•換気や漏気が考慮されていない
Q値は、計算の中で「換気」による熱損失が考慮されていますが(ただし漏気は考慮されない)、UA値の場合、換気や漏気がまったく考慮されません。漏気については、C値(気密性を示す数値)を別で参考にする必要が出てきます。
•日光の影響は考慮されていない
Q値にも共通しますが、UA値は日射熱についての考慮がされません。あくまで住宅の構造や外皮面積を使って算出する数値であるからです。
そのため夏場などは、窓の位置などによっては部屋の中の気温が上がりやすくなって、室内の気温コントロールが難しくなることもあります。
窓の向きなどについては、Q値やUA値と別に考えて設計するようにしましょう。
Q値とUA値の変換方法
Q値とUA値は異なるものですので、できることならその両方をチェックしておきたいところですが、どちらか一方しか表記していないという住宅メーカーが一般的です。
そこで、簡便式ではありますが、Q値とUA値を変換できる計算式がありますので紹介しておきます。
【UA値=0.374×Q値-0.144】
【Q値 =2.67×UA値+0.387】
どちらか一方の数値しか表記されていない場合は、上述の計算で大まかに算出することができますので、参考にしてみてください。
省エネ住宅を目指すのであれば住宅の断熱性は欠かすことのできないポイントです。
Q値もUA値も、数値が低ければ低いほど断熱性能が高い住宅であるということになります。
断熱性の高い住宅を探す際は、ここで紹介したQ値やUA値にぜひ注目してみてください。