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突然の遺産相続!相続放棄という手段も

 

 

 

こんにちは!

 

浅口市の注文住宅会社Karin-houseの岡田です。

 

いつもスタッフブログをご覧いただきありがとうございます!

 

今回は遺産の相続についてのお話です。

 

遺産を相続するというのは複雑なものです。

 

 

 

 

 

突然の相続、相続放棄という選択肢もある

 

 

 

大学進学などで家を出て、そのまま地元に戻らず就職してしまったり、転勤で全国を飛び回っていたり……。ご両親と離れて暮らしている方は、決して少なくありません。

 

 

 

そういう方は、ご両親にもしものことがあっても、すぐに実家に帰るというわけにはいかないでしょう。さらに頭を悩ませるのが、住む人がいなくなった実家をどうするのか、という問題です。

 

 

 

ご両親が家を建てた時には、将来は財産として子どもに相続してもらうことを考えたことでしょう。しかし時間が経ったことで状況が変わり、「相続しても住むことができない」「家を維持していくのにも、税金などのお金がかかって面倒」といった事態は起きてしまいます。

 

 

 

「どんな家も『幸せの入る箱』であってほしい」という信念を持って私たちは家を建てています。でもどんな家にも、いつかは「役目を終える時」が来てしまうのです。

 

 

 

そんな役目を終えた家をどうするか考えた時、相続放棄という方法があります。相続放棄とはどういうことか、どうしたら相続を放棄できるのか、ご紹介しましょう。

 

 

 

 

 

相続放棄の注意点

 

 

 

相続が発生した時、相続人がとれる方法には「単純承認」「限定承認」「相続放棄」の3種類があります。単純承認とは、プラスの財産も借金などのマイナス財産も、丸ごと相続する方法です。

 

 

 

限定承認とはプラスの財産に加えて、マイナス財産のうちプラスの財産で支払える分だけ相続する方法です。詳しく説明すると長くなるので、「遺産全体で見るとマイナス財産のほうが大きいけれど、せめて形見くらいは残したい」といった時に用いられる方法ということだけ覚えておきましょう。

 

 

 

3つめの「相続放棄」は、相続する権利自体をなかったことにしてしまう方法です。兄弟姉妹など法定相続人が複数いる場合、自分だけが相続放棄をするということもできます。

 

 

 

プラスの財産よりマイナス財産が大きい場合、相続放棄をすれば借金を取り立てられることはありません。しかし、いくつか気をつけておかなければならないポイントがあります。

 

 

 

 

 

財産相続を全て放棄することが必要

 

 

 

相続放棄とは、遺産に関する一切の権利を手放すことです。プラスの財産は相続して、マイナス財産のみ相続放棄をする、といったことはできません。

 

 

 

また、財産の一部にでも手をつけてしまったら、「相続の意思あり」と見なされて相続放棄ができなくなります。この「手をつける」というのは、プラスの財産には限りません。

 

 

 

例えば亡くなった被相続人に借金があって、返済を迫られているとします。もし相続人が一時的にでも借金の立て替え払いをしてしまうと、「相続の意思あり」と見なされてしまうのです。

 

 

 

相続するかどうか迷っている時には、遺産には一切手を触れないようにしましょう。そしてなるべく早く遺産の詳細を調べて、相続放棄するかどうかを決定しなければいけません。

 

 

 

相続放棄をする場合には、相続が発生したことを知ってから3ヶ月以内に手続きを終える必要があります。3ヶ月を過ぎてしまうと相続放棄ができなくなるので注意しましょう。

 

 

 

さらに、相続放棄の手続きをとった後で、「気が変わったから、やっぱり相続する」というわけにはいきません。相続放棄は撤回できないので、十分に考えて行う必要があります。

 

 

 

 

 

相続放棄の手続き

 

 

 

相続放棄の手続きは、亡くなられた方が住んでいた地域の家庭裁判所で行います。財産の相続を放棄する旨を記した「相続放棄申述書」に必要な書類を添えて、家庭裁判所に提出すれば手続き終了となります。

 

 

 

相続放棄申述書には、決まった書式はありません。必要なことが全部書いてあれば、レポート用紙に手書きであっても受け付けてもらえます。

 

 

 

しかし書き漏らしなどがあると手続きができないので、家庭裁判所で相続放棄申述書の用紙をもらってきましょう。用紙は裁判所のホームページからもダウンロードできます。

 

 

 

相続放棄申述書に添える書類は、被相続人の住民票除票または戸籍附票、相続放棄する相続人の戸籍謄本です。住民票除票や戸籍謄本は、市区町村役場で発行してもらいます。地域によってはそのほかの書類の提出を求められることもあるので、詳しくは家庭裁判所に問い合わせてみましょう。

 

 

 

相続放棄の手続きは、相続が発生したことを知ってから3ヶ月以内に終わらせなければならないと言いました。しかし「すべての財産を調べ上げるための時間が足りない」といった事情があれば、期間を延長することができます。これを「熟慮期間の伸長」といいます。

 

 

 

熟慮期間の伸長をしたい場合にも、家庭裁判所に申し出る必要があります。しかし、伸長ができるかどうかの判断が裁判所から下されるまでに、1週間から半月程度の時間がかかります。また、申請しても伸長が認められないこともあります。

 

 

 

 

 

相続放棄の費用

 

 

 

相続放棄の手続きには、手数料として800円の収入印紙と、150460円の郵便切手が必要です。切手の金額については地域によって異なるので、家庭裁判所に問い合わせてみましょう。

 

 

 

また相続放棄申述書に添える戸籍謄本などの書類を発行するにも手数料がかかります。こちらは1300円程度です。つまりトータル10002000円程度で、相続放棄ができてしまうのです。

 

 

 

相続放棄の手続きを弁護士や司法書士に依頼した場合には、当然のことながら依頼料がかかります。手続き自体はそれほど難しいものではないので、自分でやってみるのもいいでしょう。

 

 

 

 

 

本当に相続放棄するのか、十分な検討を

 

 

 

何度も繰り返しますが、相続放棄をすると遺産に関するすべての権利を失ってしまいます。また、一度相続法規の手続きをとると、後から撤回することはできません。そのため十分に考えてから、相続放棄に踏み切ったほうがいいでしょう。

 

 

 

また相続人は相続放棄をした場合でも、新たな所有者が見つかるまでは、引き続き財産を管理しなければならない義務があります。

 

 

 

例えば相続人全員が、家屋の相続を放棄したとしましょう。ところが新たな所有者が決まる前に、家屋が火事になってしまいました。この場合、相続放棄したはずの相続人が管理責任を問われてしまうのです。

 

 

 

そういったリスクを視野に入れると、いくら自分が住めない家だからといって、やみくもに相続放棄をするのは考えものです。それよりも相続して、土地や家屋を有効利用する方法を考えたほうが賢明もしれまません。